2020年6月20日、浅間山で2019年9月9日以来の
9ヶ月ぶりの火山性地震観測の増加により、
噴火警戒レベルの1である「活火山であることに留意」が継続された
とニュースになっていました。
そこで今回は、
「活火山とは、そもそもどんな山なのか?」
「活火山の噴火警戒レベルはどんな基準で決められるのか?」
「日本には活火山がどれだけあるのか?またそのレベルは?」
について紹介していきたいと思います。
活火山とは?
活火山とは、今現在進行形で活動している火山のことで、
つまり、噴火や噴気活動している火山のことです。
過去に噴火や噴気活動したことがあるが、
今は噴火していない火山のことを「休火山」や
「睡眠火山」と呼びます。
過去に噴気活動や噴火したことがない火山を
「死火山」と呼ばれています。
活火山としての寿命は、とてつもなく長く、
前回噴火してから1万年経っていても、
活火山に指定されるほどです。
活火山の噴火警戒レベルの基準と歴史
活火山の噴火警戒レベルの引き上げや引き下げの基準は、
具体的にはさまざまな理由があります。
その一部を紹介します。
火山性微動の振れ幅の増減や一定時間以上の継続、
火山性地震の観測の増加、火口底の赤熱現象、
噴気・噴火の活発化、衛星測位システム(GNSS)による
山体膨張を示す地殻変動などの基準によりレベルの
上げ下げが気象庁により発表されます。
この噴火警戒レベルは、2007年12月から導入され、
以前までは「火山活動度レベル」を採用し、
火山の活動の度合いを0〜5の6段階で表されていました。
しかし、2006年の火山防災対策の検討会で
「住民にとって、切迫度がイメージしにくく、
適切な防災行動に活用しづらい」と指摘を受け、
従来の「火山活動度レベル」を撤廃し、
噴火時による避難体制に係る防災対策のあり方を公表し、
防災活動に適した「噴火警戒レベル」の形式に変更されました。
活火山の噴火警戒レベルのランク分けと火山活動の度合い
噴火警戒レベルは1〜5の5段階で表され、
それぞれ種別・レベル・呼称・火山活動の度合い・
避難行動の目安が定められています。
噴火予報
レベル1
- 呼称:活火山であることに留意
- 火山活動の度合い:活動は静穏だが、火山灰などの噴出などが活発で、火口内では命に危険が及ぶ可能性がある。
- 避難目安:火口内の立ち入りが規制される。
- 主な活火山:浅間山、富士山、青ヶ島など
噴火警報
レベル2
- 呼称:火口周辺規制
- 火山活動の度合い:火口内や火口周辺部で、命に危険を及ぼす火山活動が発生した、あるいはその恐れがある。
- 避難目安:火口周辺は立ち入りが規制される。
- 主な活火山:硫黄島、阿蘇山、草津白根山など
レベル3
- 呼称:入山規制
- 火山活動の度合い:命に危険を及ぼす火山活動が発生し、居住地域の近くにも及んだ、あるいはその恐れがある。
- 避難目安:状況に応じて、登山禁止や入山規制などが行われる。災害時要援護者の避難準備が行われる場合もある。
- 主な活火山:西之島、桜島、口永良部島
噴火特別警報
レベル4
- 呼称:避難準備
- 火山活動の度合い:居住地域に重大な被害をもたらす火山活動が発生すると予想され、その恐れが高まっている。
- 避難目安:災害時要援護者は避難する。危険な地域ではほかの住民も避難の準備を行う。
- 主な活火山:国内活火山該当なし
レベル5
- 呼称:避難
- 火山活動の度合い:居住地域に重大な被害をもたらす火山活動が発生した、あるいはその恐れが高く切迫した状態にある。
- 避難目安:危険な地域ではすべての住民が避難する。
- 主な活火山:国内活火山該当なし
というように細かく定義されています。
日本国内と世界の活火山
世界の活火山は、約1,500の活火山があり、
その内の1割が日本国内にあり、世界有数の火山大国なのです。
日本国内には111の活火山があり、
その内訳はレベル1が101山、レベル2が7山、
レベル3が3山、レベル4・5ともに0山です。
世界で有名な活火山を3つ紹介しましょう。
アメリカ・ハワイにあるキラウエア火山は、
1983年の噴火を最後に現在でも火山灰や噴煙が見られます。
インドネシアにあるカワ・イジェン火山は、
1877年に噴火し、現在は噴火こそはしていないものの、
音を立てて蒸気を噴き出しています。
チリにあるビジャリカ火山は、
2008年に噴火し、
噴火口内にある溶岩湖は観光客の人気スポットになっています。
まとめ
- 活火山は、現在でも火山活動している火山のこと。
- 活火山は、1万年以内に噴火した火山を活火山と呼ぶ。
- 活火山には、危険度を表す噴火警戒レベルが1〜5の5段階で設定されている。
- 噴火警戒レベルの基準は、専門的調査によりレベルの上げ下げを気象庁が決定、発表する。
- 噴火警戒レベルは2007年12月に設定。
- 以前は火山活動度レベルを採用していたが、住民が防災に活用しづらいとし廃止された。
- 噴火警戒レベルには、種別・レベル・呼称・火山活動の度合い・避難行動の目安が定められている。
- 世界には約1,500もの活火山があり、その内日本は約1割を有する火山大国。
世界的に有名な日本の富士山は噴火を繰り返したことで、
縁起物の1つになっていたり、日本を象徴する山になりました。
1707年を最後に噴火はしていませんが、いつ噴火してもおかしくない状態です。
今後の活火山富士山に注目したいものです。