造形補修材として注目されている「プラリペア」。
便利な液体の「プラリペアリキッド」の成分についてご紹介いたします。
補修や補強に優れたプラリペアキッドは、主に次の成分でできています。
- メタクリル酸メチル
- メタクリル酸エステル
- メチルメタクリレート
プラリペアリキッドが硬化した後は、
プラスチックと同じように再生できるのが特徴です。
硬化すると樹脂になるため、強い接着力を発揮します。
接着剤では無理だったものも、
プラリペアリキッドならバッチリです。
硬化すれば、表面を塗装したりメッキを施すことも可能です。
強い接着力と安定した補修力は最大の魅力でしょう。
プラリペアリキッドの成分はどんなものなのか
プラリペアリキッドの成分について
ご紹介しましたが、耳慣れないものですね。
プラリペアリキッドの成分とは、
どのようなものなのでしょうか。
メタクリル酸メチル
メタクリル酸メチルとは、有機化合物の一つです。
主にメタクリル酸メチル樹脂(アクリル樹脂など)
の原料として使われています。
メタクリル酸メチルは、
ポリマーを合成するための原料となります。
その透明性と加工のしやすさが特徴です。
義歯床用レジンなど特殊なものから
身近なものまで用途はさまざまです。
メタクリル酸メチルには種類があります。
特徴を見てみましょう。
メタクリル酸メチル樹脂(PMMA)
メタクリル酸メチル樹脂は、
メタクリル酸メチルだけを合わせたポリマーがアクリル樹脂となっています。
ガラスの代わりに使用されるなど、
高い透明性が特徴のプラスチックです。
メタクリル酸メチル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂(MBS)
メタクリル酸メチル・ブタジエン・スチレンを合わせたMBS樹脂です。
主にポリ塩化ビニル (PVC) の改質剤として使われています。
衝撃や低温に強い上に、成形や熱に対して安定性が高いのが特徴です。
吸湿性も低く、幅広く利用されています。
用途は耐衝撃性を生かしたものや、家電・電子機器・光学部品などです。
身の回りでは、シートや食品薄膜容器などに使われています。
スチレン-メタクリル酸メチル-無水マレイン酸共重合樹脂(SMM)
スチレン-メタクリル酸メチル-無水マレイン酸共重合樹脂(SMM)は、
メタクリル酸メチル樹脂(PMMA)に溶かして使われるものです。
メタクリル酸メチル樹脂(PMMA)に溶かして使うことで、
特性を無くすことなく耐熱性を向上できます。
優れた改質剤として使用されています。
自動車のメーターパネル・光学フィルム・発光ダイオード用レンズなどに利用されています。
消防法の第4類危険物 第1石油類に該当します。
メタクリル酸エステル
メタクリル酸メチルは、有機化合物の一つです。
メタクリル酸の中のメチルエステルになります。
主に、メタクリル酸メチル樹脂(PMMA)やアクリル樹脂の原料として使われます。
用途は
- 接着剤
- 塗料
- 繊維処理剤
- 成形や被覆材料
- 助燃剤
- 皮革仕上剤
- 紙加工剤
などです。
消防法の第4類危険物 第1石油類に該当します。
メチルメタクリレート(MMA)
メチルメタクリレート(MMA)とは、
メタクリル酸メチルのことです。
一般名称では、メチルメタクリレート(MMA)。
化学品の名称(製品名)では、メタクリル酸メチルとなります。
プラスチックの原料として、
透明ABS樹脂やMS樹脂など幅広く利用されています。
メタクリル酸メチルの安全性は?
プラリペアリキッドの成分である、
メタクリル酸メチルの安全性が気になります。
メタクリル酸メチルは樹脂を合成する原料として、
生活の中にも浸透しています。
建築の材料や
照明器具、化粧品・歯科材料の原料としても重要です。
塗料の原料としても、
自動車や家電・建築などに使われています。
しかし、有害性のある危険物であるため取り扱いには気を付けましょう。
引火性が高いため、
液体で使用する場合も蒸気となる場合にも注意が必要です。
人体に付着などすると、皮膚や目に刺激が起こります。
吸入すると有害になるため、正しく使用しましょう。
メタクリル酸を使用しながら
飲食したり喫煙をしてはいけません。
メタクリル酸を使用するときには、
手袋や保護衣・眼鏡・保護面などを着けます。
屋外で使用するか、換気がじゅうぶんなところで
使用しなければいけません。
作業後は、保護衣などが汚染されているため、
作業場から出さないことが大切です。
メタクリル酸を使用したあとは、よく手を洗います。
まとめ
プラスチックの補修や溶着に便利なプラリペアリキッド。
その成分は、メチルメタクリレート(メタクリル酸メチル)が主です。
耳慣れない成分ですが、身の回りのさまざまなものに使われています。
プラリペアリキッドのように、
欠けや割れ・折れてしまったプラスチックを再生する原料にもなっています。
身近なものから、専門的な分野まで幅広く利用されている優れものです。
有害性の危険物であることから、取り扱いにはじゅうぶん気を付けましょう。