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小笠原諸島が世界遺産に選ばれた隠された理由と 魅力とは?

今回の記事では、2011年に世界遺産登録された
自然豊かな小笠原諸島にスポットを当て、
世界遺産に登録された様々な理由と魅力について
紹介したいと思います。

また、世界で小笠原諸島だけにしかない秘密なども
紹介したいと思います。

世界遺産に登録された理由

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小笠原諸島は、自然豊かで様々な動物や
植物が生息、生育しています。

そんな小笠原諸島がなぜ、
世界遺産に選ばれたのでしょうか。

理由は2つあります。

1つ目の理由として、小笠原諸島は「海洋島」
であるということです。

本来であれば、大昔一つの大陸が長年の月日を経て、
分裂、衝突を繰り返し大陸や島ができてきましたが、
海洋島」とは、歴史上大陸と繋がったことがない
島のことを言います。

小笠原諸島は、日本本土から切り離されてできた
島ではなく、サンゴの隆起によってできた珊瑚島や
海底火山の爆発によってできた火山島によって
構成された諸島です。

日本では他にも大東諸島海洋島に当たり、
世界ではハワイ諸島ガラパゴス諸島も該当します。

しかし、これだけでは世界遺産には選ばれません。

2つ目の理由は、小笠原諸島には特異な生態系が
あるということです。

特異な生態系とは、
小笠原諸島は生物の固有種の豊富さが評価され
世界遺産の登録が実現したのです。

前述にもあるように
小笠原諸島は大陸続きになったことがありません。

そのため、動物も植物も
小笠原諸島に辿り着くことができません。

小笠原諸島には、風で種子を飛ばすブナ科や
マツ科の植物は繁殖しませんし、草木を食べる
草食動物や、それらを食べる肉食動物もいません。

なので、小笠原諸島には頂点に立つ「捕食者」が
いないため、本来ならば「捕食者」に
食べられてしまう動物や植物は小笠原諸島の独自の
発達によって、固有種が多くなったのです。

小笠原諸島のカタツムリの固有種率が94%!

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実は、小笠原諸島タツムリ(陸産貝類)の
固有種率が94%なのです。

本来カタツムリは、動きが遅く
自分の身を守るための武器を持たない生物であり、
他の地域ではおそらくすぐに食べられてしまいます。

しかし、小笠原諸島には
捕食者となる天敵がいないため、
タツムリにとって楽園の島々なのです。

環境に合わせて進化を遂げてきたカタツムリは、
日本全体では800種類以上生息しています。

その内小笠原諸島で記録された種類は
106種類のカタツムリがいて、
さらにその内の94%に当たる100種類が
小笠原諸島にしかいない陸産貝類の固有種とされています。

これを見ると小笠原諸島に生息している陸産貝類の
固有種の豊富さがよくわかります。

しかし、まだまだ研究は進められており、
データにない謎の種類も存在します。

なので、この先の研究によっては、
まだまだ固有種の数は増加する可能性があるのです。

また、小笠原諸島の中でも
島と島が大きく離れているため、
同じ種類でも色や形が違う場合もあります。

それらのことは、一つの島の中でも起きることがあり、
進化の過程を見ることができるのは、
日本では小笠原諸島だけなのです。

小笠原諸島の魅力

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小笠原諸島は、明治時代以降に森林伐採や戦争、
外来生物の侵入など環境にダメージのある経験を
してきましたが、陸産貝類をはじめとする在来種の
8割は絶滅することなく、現在も生き延びています。

そして、小笠原諸島の島民や研究者たちのおかげで、
普段決して見ることのできないカタツムリや昆虫などを
目にすることができるのが魅力の一つです。

それに加えて、クジラやイルカ、ウミガメなどを
間近で見ることができるのも小笠原諸島の魅力です。

また、クルーザーでのホエールウォッチング、
ドルフィンウォッチング、水中でクジラの歌を
聞くことも体験できたりします。

世界遺産になるまでの小笠原諸島

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小笠原諸島は、6,600万年前から2,303万年前の
海底火山の噴出物により形成されました。

1543年10月にスペインのガレオン船
サン・ファン号によって火山列島が発見され、
小笠原諸島の一つである母島が発見されました。

1876年に小笠原諸島の日本統治を各国に通達し
正式に日本領となりました。

その後、父島や南鳥島などに
日本人が定住するようになり、
1880年東京府(現・東京都)が小笠原諸島
管轄となりました。

第二次世界大戦には、硫黄島が戦地となり、
父島が日本軍の要塞となりました。

1980年には、希少鳥獣生息地に指定され、
1972年に小笠原諸島の一部を国立公園に指定されました。

そして、形成史や固有種の生態系や生物相が評価され、
2011年6月29日に第35回世界遺産委員会によって
世界自然遺産に指定登録されました。

まとめ

小笠原諸島は、森林破壊や島の開発事業によって
草木が掘り起こされ、生物の棲み家がなくなった
影響により現在でも多くの絶滅危惧種が存在します。

また、人間が出したゴミなどにより、
生物の生態系を脅かしています。

今後も、小笠原諸島だけでなく、
多くの自然を生かすも殺すも人間次第なのです。

便利な世の中になってきている反面、
自然の中で住む生物や植物にとっては
悪影響をもたらすこともあるので、
普段の生活の中でふと立ち止まって
自然のことについて考えるきっかけになればと思います。