救急車の有料化が検討されていることをご存じですか?
この話題については意見が
賛成派と反対派に分かれることは想定内かと思います。
では、なぜ救急車を有料化する話が出ているのか...
それは救急車に対する不適切な利用つまり、
救急車に対する本来の理解が不十分な点が挙げられるでしょ。
反対意見はどんな理由で持ち上がったのか、
現在の救急車が抱えている問題点を考えながら
その理由について見ていきたいと思います。
救急車の有料化に対する反対意見とは?
まずは救急車を利用する側の意見から見ていきたいと思います。
1番の心配な点として挙げられることは、
救急車が有料化になることで必要な状況であっても
救急車を呼ぶことができないケースが生じるということです。
実際の金額は出ていませんが、
救急車を呼ぶ=いくらかのお金がかかるという状況になれば、
本当に救急車が必要であるのに
金銭的な面で呼ぶことができなくなりますよね。
社会には経済的に厳しい生活をしている方も
たくさんいらっしゃるのが現状です。
また、救急車で搬送された人の過半数が
65歳以上にあたるということも注目されるところでしょう。
高齢者は年金で生活をされている方が多く、
周りに頼れる人がいない独居の方もいると思います。
病院で治療を受けたいのに金銭的に厳しいという理由で、
満足な治療を受けることができないという状況が起こってしまいます。
果たして、それでいいのでしょうか?
平等に治療を受けることができないのではないか、
というのが反対意見の多くです。
反対意見の中には、医療従事者からの意見もあります。
そもそも有料化になったところで、
不適切な救急車の利用減少につながるのかという疑問の声もあります。
医療従事者であればともかく素人からすると救急車が必要かどうか、
軽症なのか重症なのかの判断ができるでしょうか?
自身や目の前の人の急な体調変化を目の前に
冷静な判断を求めるのはとても難しいと思います。
さらに費用は誰が払うのかについても疑問点でしょう。
救急車を利用した半数以上は自分ではなく周りからの要請であり、
その時は誰が支払うのでしょう?
本当に救急車を呼ばなくてはならない状況になった時に
これらの問題で躊躇してしまうことになります。
そして、最後に不適切な救急車の利用が増えているとはいっても、
一部のみでほとんどの人が適切に利用している点が挙げられます。
この最後の大きな問題が原因となり、
上記に挙げた反対意見がでてきてしまうのでしょう。
不適切な救急車の利用による影響とは?
では、不適切な救急者の利用が増えることで
与える影響について見ていきたいと思います。
これは、医師や看護師などの医療従事者の意見や
抱えている問題から見ていくとわかりやすいです。
なぜ、彼らが救急車の有料化を賛成するのか...
それは...
救急車が必要であったと思えないような
軽症の患者がタクシー代わりに利用している事例を
多く見てきたからでしょう。
医療現場は常に人手不足だと感じます。
私も10年以上、医療従事者として病院で勤めていましたが、
本当に人員が不足しています。
本来の業務以外にも
マンパワー要員として動いたことも多々経験があります。
本当に救急車を必要とする患者は一刻を争う状況なのです。
もちろん軽症であっても
治療が必要であれば適切に行わなければなりません。
救急車が必要な患者と軽症の患者に治療の質に差があってもいけません。
ただ、救急車の台数は限られています。
今、緊急で治療が必要かどうかを少し考えてみて下さいね。
もう一つは費用面への影響でこの問題は日々深刻になってきています。
現在、救急車は無料ですが、
1回の出動にどれくらいの費用がかかると思いますか?
約4万5000円といわれています。
年間2兆円という巨額な費用を自治体が負担しています。
この数字を見るともし、
タクシー代わりに利用されているのであれば
考え直してほしい状況かなと感じます。
救急車の不適切利用をなくすには?
上記で挙げた反対意見の根本は
救急車を正しく利用できていないということでしたね。
救急車とは負傷者や病人を
医療機関に緊急に搬送しないといけない時に出動します。
救急車の中にはAEDや心電図モニター、
酸素吸入器などの器材が装備されていることからも
緊急性の高さがわかりますね。
本来の救急車の役割をきちんと理解していれば
安易にタクシー代わりに利用する人はでてこないのではないでしょうか?
有料化よりも本来の救急車の役割を知っていくことが大切になると思います。
まとめ
救急車は本当に必要な人が躊躇なく利用できるものであってほしいと思います。
経済的な理由で利用できない、
または治療が遅れることは避けたいですよね?
その為にも、救急車に対する正しい知識や役割について
今一度考える必要があると思います。
そして、学校や家庭、地域など様々な場所で一緒に考え、
行動できるようになることが今、私たちに求められています。