今日ご紹介するのは、
冬の京都一人旅で、
ぜひ歩いてほしい穴場スポットです。
取り上げるのは、次の3つ。
- 宝ヶ池公園(左京区)
- 伏見桃山城とその周辺(伏見区)
- 大文字山(左京区)
一人旅の楽しみの一つに歩くことがあります。
あなたは旅先で歩くことに何を求めていますか。
新しいお店の発見でしょうか。
景色を楽しむことでしょうか。
以前と変わらない街並みを懐かしむことでしょうか。
そのほかに、
考えごとをする、
物思いにふける、
といった目的で歩くのもありませんか?
一人旅では、自分の心に問いかけたいことがいろいろあるはず。
そんなあなたにピッタリの場所をお伝えします。
冬の京都は観光客の数が減ります。
ですが、そうは言っても、
有名観光地は人が多いです。
一人で落ち着いて歩ける場所って、
実はなかなか見つからないんですよね。
冬になると人出が少なくなり、
人がいても地元民比率が高い、
そんな場所についてお伝えします。
宝が池公園
市内に自然豊かな公園があると聞けば、意外に思うはず。
京都観光の定番といえば、名所・旧跡の見物ですからね。
知られていないのも仕方ありません。
もし、あるとすれば、行ってみたいと思いませんか?
宝ヶ池公園のおすすめポイントは、
中心部からアクセスがよいのに、
自然と親しむことができることです。
公園の敷地は広いのですが、
ここでは池とその周辺に絞ってお話ししましょう。
宝ヶ池公園のおすすめポイント
池は、ほとんどが森に囲まれています。
江戸時代後半に、ほぼ現在の大きさになりました。
公園として本格的に整備が始まったのは、今から60年ほど前。
少しずつ手を加え、今に至ります。
池の周囲は、一周1500mのランニングコースを兼ねています。
幅が広く、見通しが良い道のため、
景色の変化を楽しみながら歩くことができます。
池の向こうにある京都国際会館と、
遠くにある比叡山を借景として眺める景色は、
これまでになかった京都の印象をあなたに与えてくれるはず。
池の周囲には桜の森、野鳥の森、梅林園などがあります。
せっかくですから、寄り道しながら回るのもおすすめ。
この公園、実は生き物の宝庫でもあるのです。
少し、ご紹介しましょう。
池には、日本固有のニホンイシガメがいます。
近年は、外来種に押されて数を大きく減らしているのですが、
ここではまだまだ見られます。
森は野生のシカの生息地になっています。
途中、シカを見かけることも珍しくありません。
冬になると、たくさんの野鳥を見ることができます。
絶滅危惧種のオシドリが水面を泳ぎ、
「飛ぶ宝石」といわれるカワセミが飛び交います。
そんな宝ヶ池公園は、
冬に一人歩きをしてほしい公園です。
天気によって、池は表情を変えます。
凍ったり、鉛色のまま動かなかったり、
陽光にきらめいたり。
中心部よりも雪が積もりやすい市内北部にあるため、
雪景色のある日とない日があります。
冬の初めは、落ちた紅葉が重なって絨毯のように見えます。
やがて、枯れ葉が乾いた風の中を舞うようになります。
2月になれば、梅が咲きます。
公園がどんな表情をあなたに見せるかは、その時次第。
でも、表情が何であっても、
あなたは心静かに一人歩きの時間を楽しむことができます。
宝ヶ池公園アクセス
地下鉄・烏丸線終点の国際会館駅で下車します。
地下鉄の京都駅からは、乗り換えなしで20分ほど。
5番出口から外に出ましょう。
京都国際会館の敷地に沿って、南へ1分ほど歩きます。
岩倉川にかかる小さな橋を渡り、
そのまま道なりに歩けば、池まで5分足らず。
また、宝ヶ池公園へは、
京都市営バスでも行くことができます。
京都駅・烏丸中央口側バスターミナルから、
5系統「岩倉操車場前」行きに乗って、
「国際会館駅前」で下車。
一時間ほどかかるので、時間のある人向けになります。
叡山電鉄・宝ヶ池駅から行くのはお勧めしません。
駅は公園の東の端の、
さらに道路を挟んだ向かい側にあります。
池まで歩く距離が長くなってしまいます。
伏見桃山城とその周辺
この辺りは桃山丘陵と呼ばれます。
桃山丘陵には、
- 伏見桃山城
- 北堀公園
- 桓武天皇陵
- 明治天皇陵
があります。
おすすめポイントは、
歴史探訪ができる散策スポットになっていることです。
桃山丘陵をゆっくり回ると、2~3時間はかかります。
なので、とにかく歩きたい人向けのコースです。
春と秋は、行楽シーズンなので人出が多くなります。
夏は、暑すぎてお勧めしません。
ということで、
- たくさん歩きたい
- それでいて、体力の消耗を抑えたい
そういう人は、冬に歩くことをおすすめします。
伏見桃山城
もともと、お城は秀吉が建てたものですが、
江戸時代には廃城になってしまいました。
いまのお城は、昭和39年(1964年)に建てられたものです。
お城の周りには、かつて遊園地がありました。
遊園地は、平成15年(2003年)に閉鎖され、
跡地は伏見桃山運動公園になりました。
公園には野球場やフットサル場があります。
以前は、お城の中に入ることができたのですが、
今は耐震強度の問題で入れません。
それでもお城のそばまで寄ることはできます。
いろいろな角度からお城を眺めるのも面白いですよ。
北堀公園
北堀公園は、伏見桃山運動公園につながっています。
秀吉時代の伏見城外堀の遺構で、
堀の形を生かしているのが特徴です。
斜面は、木や竹が植えられ、森になっています。
堀の中段は、一周1000mほどの周回コースとして利用され、
ジョギングや散歩が楽しめます。
堀の底は、池や広場となっており、
歩いて降りることができます。
公園からも天守閣が見えます。
木々の上に姿を見せる天守閣は、威厳たっぷりです。
桓武天皇陵・明治天皇陵
桓武天皇陵や明治天皇陵は、
とてもきれい整備されています。
京都に都を移した桓武天皇と、
京都から都を移した明治天皇が、
ほど近い場所に眠っているのは、
なかなか興味深いです。
明治天皇陵へは、
ゆるやかな登りになっている参道を歩きます。
幅の広い、杉並木の森の中にある参道は玉砂利が敷かれ、
おごそかな雰囲気が漂っています。
明治天皇陵の正面まで来ると、
南側には遠く宇治の街を望むことができます。
東側にある昭憲皇太后の陵と230段もある大階段を、
ぐるっと一周して戻ってくることができます。
チャレンジしてみませんか。
桃山丘陵へのアクセス
桃山丘陵へのアクセスは、次のどれかになります。
- 京阪:丹波橋駅か伏見桃山駅
- 近鉄:丹波橋駅か桃山御陵前駅
- JR:桃山駅
京阪・丹波橋駅と近鉄・丹波橋駅とは、
連絡通路でつながっています。
近鉄・丹波橋駅の東口を出て、
左に100mほど歩くと丹波橋通りに出ます。
右に曲がって、ゆるやかな登りを500mほど歩くと、
桓武天皇陵の参道入口に着きます。
京阪・伏見桃山駅と近鉄・桃山御陵前駅とは、
100mほどの距離です。
どちらの駅も、外は大手筋通りに面しています。
こちらも、緩やかな登りを通り沿いに15分ほど歩くと、
明治天皇陵の参道入口に着きます。
途中、JR桃山駅そばの踏切を通ります。
JR桃山駅からは、徒歩5分ほどで参道入口に着きます。
大文字山
夏の風物詩・京都五山の送り火は有名ですよね。
「大」の字が燃えている映像や画像を、
あなたも一度は見たことがあるはず。
市内のいろいろな場所からも、
「大」の字を見ることができます。
そんな「大」の字のところに行ってみたいと思いませんか?
「大」の字まで登ったあなたの目の前には、
見晴らしのよい景色が広がっています。
大文字山は、冬にぜひ登ってほしい山です。
冬は、空気中に含まれている水蒸気やチリが少なくなります。
つまり、ほかの季節に比べて空気が澄んでいるのです。
晴れた日は、中心部だけでなく周囲の山々まではっきり見えます。
40km以上離れた大阪のビル群まで見えるときもあるぐらいです。
でも、旅行に来てまで山登りなんて、と思っているあなた。
実は、気軽に登ることができるのです。
登山道は銀閣寺のすぐ横にあるのですが、
ここから、「大」の字の横棒のところまで、
ゆっくり歩いて30~40分ぐらい。
道は十分に広く、しっかりと整備されています。
迷うこともありません。
途中、湧水を汲むこともできます。
もちろんすべて上りですが、思ったほどきつくはありません。
お手軽なハイキングコース、といったところでしょうか。
ただし、そうは言っても山登りなので、
どうしても汗はかいてしまいます。
調節しやすい服装と歩きやすい靴で登りましょう。
「大」の字にたどり着いたあなたは、
景色を眺めながら無心になるもよし、
考えごとにふけるもよし。
地図と照らし合わせてみるのも面白いですよ。
日当たりがとてもいいので、
晴れていると、結構、暖かいです。
あなたの目の前に広がる京都の街は、
大きく映るか、小さく映るか、
どちらでしょうか。
大文字山登山のアクセス
登山道入り口までのアクセスについて。
京都駅・烏丸中央口側バスターミナルから、
17系統「錦林車庫前」行きに乗って、
「銀閣寺道」で下車。
所要時間は約40分。
バス停を下りると、
バスの進行方向に大文字山が見えます。
目の前にある今出川通りを山のほうに進むと、
銀閣寺の参道にそのままつながります。
参道の両脇には土産物屋などが並び、
道はさらに銀閣寺の山門へとつながります。
山門の手前にある境内には入らず、
境内の前を左に曲がります。
道なりに歩くとそのまま大文字山への登山道につながります。
「銀閣寺道」のバス停からここまで、
10分ちょっとです。
まとめ
今日は、冬の京都の一人旅で歩いてほしいところを
3つ紹介しました。
どれも京都市内にあり、
アクセスも悪くないので、
気軽に行くことができます。
宝ヶ池公園のしっとりとした雰囲気に身を浸すか。
桃山丘陵の変化に富んだ散歩コースを味わうか。
大文字山からの景色に見とれるか。
リピーターの人も、
初めて行く人も、
自分だけの京都旅行の1ページにぜひ加えてくださいね。