日本が世界に誇る雄大かつ秀麗な霊峰「富士山」。
富士山の美しさに見とれてしまう方も多いかと思いますが、
この富士山が実は活火山であることをご存知でしょうか。
昔は100年おきに噴火を繰り返していたそうですが、
1707年の宝永噴火を最後に300年噴火がない状態とのことです。
つまりいつ噴火してもおかしくないのです。
もし富士山が噴火したら
東京に住むあなたにどんな影響があるのでしょうか?
富士山の山麓に住む人であれば、
溶岩流や噴石が飛来することもあるかと思いますが、
火口から離れているならば一番警戒すべきは「火山灰」。
火山灰に対する備え
火山灰が東京に飛来した場合に考えられる影響は以下の4つです。
- 停電
- 交通網の遮断
- 断水
- 通信障害
この4つの影響に対する備えとしては、
水・食料の備蓄、防塵マスクやゴーグル、
簡易トイレ、カイロなどが考えられます。
富士山が噴火してから火山灰が
東京都心まで到達するのは約2時間と言われています。
つまり、その2時間の間が運命の分かれ道になる可能性があるため、
事前の備えがより重要になってくるのです。
それではそれぞれの対策を考えていきましょう。
停電
火山灰は雨に濡れると通電する性質があります。
火山灰が電線の「碍子(がいし)」という
絶縁体の上に積もり、
雨が降ると通電してショートしてしまいます。
また、火力発電所で吸気フィルタを頻繁に交換しなくてはならなくなるため、
電力の供給量が大幅に低下してしまいます。
このような要因で大停電となる可能性があります。
つまり、あらゆる電化製品が使用できなくなります。
地震などで停電になる場合と一緒ですが、
電気を使用しなくても食べられる食料の備蓄、
懐中電灯、カイロなどの準備が有効です。
交通網の遮断
鉄道では信号が誤作動を起こし運行できなくなる可能性があります。
もちろん停電した場合、電車は完全にストップします。
また、火山灰によって視界が悪くなり
道路もスリップしやすい状態となるため、
車の走行が困難になります。
さらに、停電すれば信号や踏切なども動かなくなります。
飛行機もジェットエンジンの中に火山灰が入ると、
エンジンが止まってしまう可能性があるため欠航になります。
このように火山灰の影響で
交通網は大規模にマヒすると思われます。
もし、職場や外出先にいた時に噴火があった場合は、
当然交通機関を使って家に帰ることができなくなります。
東日本大震災の時と同じように
帰宅困難者が列をなす状態が容易に想像できます。
そのため、職場にスニーカーなど
動きやすい靴を用意しておくことが大切です。
断水
火山灰が川の水を汚染し、
その水が浄水場に取り込まれると
浄水処理が追い付かず、
断水になる可能性があります。
通常の災害なら給水車が水を供給する場合がありますが、
交通手段がマヒした状態では
給水車もいつ到着するかわかりません。
そのため、できるだけ水の備蓄を用意しておくことが重要です。
また、下水道に火山灰が入り込んで固まってしまうことで、
トイレなどが使えなくなる可能性もあります。
災害用の簡易トイレを準備しておくと良いでしょう。
通信障害
停電による通信機器の停止はもちろんのこと、
通信アンテナに火山灰が付着することによって
機器が故障する可能性があります。
停電が復旧したとしても
通信アンテナや機器が故障した状態では使用できません。
これによって携帯電話やインターネットが
使えなくなる恐れがあります。
万が一の場合に家族で集合場所を決めておくなどの対策が必要でしょう。
火山灰の特徴
また、火山灰にはいくつか特徴がありますので、
いままでお伝えした対策に加えて以下の点にもご注意ください。
①微細なガラス成分が含まれている。
②水に濡れると落ちにくい
③風に舞いやすい
①の微細なガラス成分が含まれていることによって、
目の中に火山灰が入ってこすると眼球に傷をつける恐れがあります。
そのため、コンタクトレンズを装着している人は
外す必要がありますので眼鏡の用意が必要ですし、
コンタクトレンズをしていない方もゴーグルなどの用意が必要です。
また、車の上に乗った火山灰は同様の理由で
こすると車に傷がつきますので、
水で洗い流すことが大切です。
②火山灰が水に濡れると泥のようになります。
そのため、乾燥していれば払うだけで
落とせるものがこびりついてしまいます。
なので、払えばすぐに落とせるナイロン生地の
レインコートやジャケットを用意しておくとよいでしょう。
③火山灰は風に舞いやすいため、容易に口や鼻から侵入してきます。
そのためマスクは必須で、
可能であれば防塵用のマスクが最も望ましいでしょう。
呼吸器系の疾患がある方は
悪化する場合がありますので、
特に注意が必要です。
同様に電気製品の中にも入り込みやすいため、
パソコンや携帯電話にも
ビニールをかぶせる等の保護対策が必要です。
まとめ
富士山が噴火した場合の備えについてお伝えしてきましたが、
いかがだったでしょうか。
大切なことは地震や洪水などの備えとは近いものもありますが、
「火山灰への対策」というまったく違う備えが必要、ということです。
地震や洪水については備えが万全なあなたも、
火山灰に対する備えが万全かどうか、
今一度、確認してみてはいかがでしょうか?