お決まりのドッグフードしか与えていない飼い主さんからすると、
「犬に納豆をあげるなんて信じられない!」というところかもしれません。
ですが意外にも納豆好きな犬は多いようです。
しかも初めて愛犬に納豆を食べさせたら、
嬉しくて興奮してしまったという話しもあります。
味というよりは納豆の匂いが大好きなようです。
その納豆ですが、栄養は豊富ですし納豆菌も含まれているので、
人間と同様、犬の健康にも大変効果があります。
納豆が犬に良い理由や、正しい食べさせ方について解説します。
納豆に含まれる納豆菌ってどういうもの?
納豆菌は田んぼや畑、又は枯草等に存在しますが、
特に稲わらに多く存在しています。
もちろんスーパー等で売っているパック入りの納豆は、
培養した納豆菌で作られています。
その納豆菌ですが、かなりの乾燥や熱にも強く、
-100℃から100℃の温度でも生き続けます。
しかも胃酸にも強いので生きたまま腸まで行きますから、
腸内環境を整える働きをします。
又、納豆菌は色々な酵素を作り出します。
その代表格がナットウキナーゼというものです。
このナットウキナーゼは
血液の流れを良くする働きがあります。
そして納豆菌が犬に良いと言われている大事な理由として、
大豆そのものが持っているリスクを、
納豆菌が緩和してくれるという点があります。
大豆は栄養価が高く、私たちとってはなくてはならない食品の1つなのですが、
犬にとって大豆そのものはいくつかのリスクを持っているのです。
- 大豆には「フィチン酸」という成分が含まれていて、
犬にとってそれはミネラルの吸収を抑えてしまいます。 - 大豆に含まれる「レクチン」、「サポニン」は犬の腸に悪作用を及ぼします。
- 大豆のミネラルバランスが犬にとっては偏ったものとなっています。
- 大豆は消化酵素の働きを阻害します。
特に犬が生の大豆を食べると消化不良を起こします。
以上のようなリスクが犬にとってはあります。
そのリスクが納豆菌によって緩和され、
納豆であれば、大豆の栄養をしっかり吸収出来るという事になります。
納豆の栄養素にはどんなものがある?
納豆には沢山の栄養素が含まれています。
人間にも有効ですが、犬にとっても優れた栄養素です。
主な栄養素
- タンパク質・・
納豆菌によって分解されたタンパク質は、
とても消化が良いものになっています。
消化吸収が弱いとされている犬にも消化しやすくなっています。 - ナットウキナーゼ・・
前述したナットウキナーゼですが、
血液の流れを良くする効果があり、
それは犬にとっても良い作用を及ぼします。 - ビタミン・・
納豆にはビタミンK、ビタミンE、ビタミンB群が豊富に含まれています。
これらのビタミンは犬の健康を促進します。 - ミネラル・・
歯や骨を作る成分であり、
犬の体内のバランスも整えてくれます。 - 食物繊維・・
犬の腸内環境を整えてくれます。 - 脂質・・
犬のエネルギー源になります。 - 炭水化物・・
犬のエネルギー源となります。
初めて愛犬に納豆を食べさせる前の大切な注意点!
愛犬に大豆アレルギーがないかを確認!
多くはないですが、大豆アレルギーを持っている犬はいます。
そのため納豆を初めて食べさせる時には、
まずはほんの少量だけ与えてみます。
食べた後に嘔吐や下痢をしないか、
あるいは体がかゆくなって掻いたりしていないか確認しましょう。
具合が悪くなったら動物病院へ連れて行く必要もあります。
もし何でもないようなら少しづつ量を増やして食べさせましょう。
腎臓病や心臓病の犬には納豆はNG!
納豆にはカリウムが含まれているのですが、
腎臓病や心臓病の犬はカリウムを適切に排出する事が出来ないのです。
最悪、心停止になる場合もあります。
犬の健康診断を受けていれば、
獣医さんから腎臓病や心臓病があると指摘されているはずですから、
そういう愛犬には絶対に納豆は与えないようにしましょう。
愛犬への納豆の正しい与え方とは?
納豆の適切な量
大豆には犬にとってリスクとなる点があるものの、
納豆菌によりそれらが緩和される事は前述しました。
とは言え、100パーセント緩和されるわけではないので、
やはり食べる量には注意しなければなりません。
納豆はおやつ、あるいは通常のフードにトッピングする感覚です。
大体の目安の量(1日分)としては以下のようになります。
- 体重4kg未満の超小型犬・・3gから5g位
- 体重10kg以下の小型犬・・16g位まで
- 体重25kg未満の中型犬・・27g位まで
- 体重25kg以上の大型犬・・45g位まで
納豆に付いているタレは入れたらダメ
人間用に付いているタレですから、
犬にとってはかなりの塩分量になります。
何も加えずに納豆をそのまま与えるようにします。
毛や耳の長い犬は納豆のネバネバに注意が必要
犬自身は納豆の匂いが好きですし、
ネバネバも気にならないかもしれませんが、
飼い主さんにとって大変です。
食べた後に飼い主さんが濡れタオル等で、
口回り等を丁寧に拭いてあげないと、
後でかなり臭います。
乾くと余計に臭いますから、
食べたらすぐに拭いてあげましょう。
まとめ
大豆は栄養豊富で優れたものですが、
犬が大豆を食べる事はいくつかのリスクがあります。
ですが、納豆であれば納豆菌の働きでそれらのリスクが緩和されるので、
犬にとっても優れた食材となります。
様々な栄養素が含まれているので、
納豆を食べる事は愛犬の健康促進に役立ちます。
ただしむやみに沢山の量の納豆を食べさせることはよくありません。
犬の体重に合った量の納豆を食べさせましょう。
毛足の長い犬等はもちろんのこと、
犬が納豆を食べた後は濡れタオルなどで、
口元をよく拭いてあげましょう。
さもないと犬が納豆臭くなって、飼い主さんが大変です。
又、大豆アレルギーのある犬や、
腎臓病、心臓病の持病のある犬は、
納豆を食べさせる事は絶対にNGとなります。