今回は、まだまだ解明されていない
「チョコレートヒルズ」にスポットを当てて、
成り立った伝説について詳しく紹介したいと思います。
チョコレートヒルズの成り立ち
チョコレートヒルズができた成り立ちの伝説が
3つあります。
1つ目の伝説は、昔この地域に巨人が住んでおり、
2人の巨人が岩や瓦礫や砂などを投げ合う大きな争いが
起きました。
その争いは、何日間も続き巨人たちは疲れ果てて
しまいました。
ふと巨人たちは、我に返りなぜ自分たちは
揉めていたのかを忘れてしまい、結果仲直りしました。
そして、その場を立ち去る時に自分たちが
荒らした岩や瓦礫などを片付けるのを忘れて
その場を去ってしまったため「チョコレートヒルズ」が
できたという伝説があります。
2つ目の伝説は、この伝説も若い巨人が主人公です。
アロゴという若く力の強い巨人が、
人間であるアロヤという女性に恋をしてしまいました。
しかし、その女性は不慮の事故にあい
亡くなってしまいました。
アロゴは、悔しさと悲しみのあまり涙が
止まらなくなってしまいました。
そして、涙が止まらない日が続き、
その涙の粒が乾いて「チョコレートヒルズ」になった
という伝説があります。
3つ目は、水牛の一種である巨大なカラバオが町を
襲い、農作物を食い荒らしてしまいました。
町人たちは怒り、腐った食べ物を町中から集め、
カラバオをおびき寄せました。
案の定カラバオは腐った食べ物を食べましたが、
胃が腐った食べ物を消化できずにその場で排便をし、
大量のフンの山だけを残して森へ帰っていきました。
そして、フンの山が乾燥し「チョコレートヒルズ」が
できたという伝説があります。
巨人伝説が多い訳
先述の伝説のエピソードの2つに巨人が出てきますが、
なぜ、巨人が出てくるのでしょうか?
フィリピンには、ギリシャやローマの神話とは違い、
多くの伝説が今でも色濃く残っています。
フィリピンの伝説には、子どもたちに言う事を
聞かせるためのものや病気になる原因を説明する
ために使われるだけでなく、フィリピン諸島が
形成された誕生譚の物語によく使われます。
『ベルナルド・カルピオ』という
フィリピンの伝説に出てくる巨人は、
スペイン領であったフィリピンを救う救世主であり、
自由の象徴として今でも英雄として
語り継がれています。
『ブギスギス』という巨人は一つの目を持つ巨人で、
森や山に住み、陽気で笑い上戸の巨人で、
フィリピン国民にとってとても親しみのある
巨人なのです。
このように、フィリピンでは巨人伝説が多く、
親しみのある巨人や、巨人によって国を救われたりと、
国民にとって神様に近い存在なのかもしれません。
チョコレートヒルズについて
チョコレートヒルズは、
「ボホール島」という島にあり、
島の半分が大理石で覆われている大変珍しい島です。
チョコレートヒルズは、
ボホール島のほぼ中心地にあり、
高さ約30mほどの円錐形の丘が
1,268〜1,776丘連なっており、とても不思議な風景です。
この丘の正体は、
サンゴ礁からなる石灰岩でできており、
木は生育せず、丘全体が草で覆われています。
「チョコレートヒルズ」の名の由来は、
乾季になると、丘に生い茂っていた草は枯れて、
その色がチョコレート色のため、
「チョコレートヒルズ」と名付けられました。
また、チョコレートブランドの「ハーシー」が作る
「チョコレート・キス」がたくさん並んでいるように見えます。
そのチョコレートブランドとの連想も、名称の背景にあります。
まとめ
チョコレートヒルズは、
実際の研究ではサンゴ礁からなる石灰岩でできていますが、
この丘が成り立った伝説には、ロマンが詰まっており、
巨人に国を救ってもらったフィリピンの
国民性も伺えるような伝説には、面白さを感じます。
また、その丘の景色をチョコレートブランド
「ハーシー」の「チョコレート・キス」に見立てて、
丘(ヒルズ)とかけ合わせた名称は人々の心を
ガッチリ掴んでいるネーミングだと思いました。
ということで今回は
暫定世界遺産である「チョコレートヒルズ」
の成り立ちについて紹介しました。
チョコレートヒルズには、まだまだ解明されていない
部分が多く、研究者を悩ませている不思議な
スポットです。
また、まだ世界遺産ではありませんが、
候補リストに入っており、認定されれば観光客は
もっと増える可能性があるので、世界遺産に
認定される前の「チョコレートヒルズ」の絶景を
目に焼き付けたいものです。