ブロッケン現象は、日本でもたまにニュースで話題になります。
今回は「ブロッケン現象」について
どういう原理で現象が起きるのか?
ブロッケン現象の由来
どういう条件でできるのか?
また、見ると幸せになれる言い伝えについて
紹介していきたいと思います。
ブロッケン現象とは?
ブロッケン現象とは、太陽の光が背後から差し込み、
影側にある雲の粒や霧の粒により、光が散乱されて、
見ている影の周りに虹と同じような光の輪っかが
現れる現象のことです。
雨上がりなどによく見る虹にも似ていますが、
原理が違います。
虹は、太陽の光が空気中の水の粒によって、
光の屈折や内部の反射がされる時に、水滴そのものが
多面体の役割をし、光が分散され七色の帯状のものが
見えるのです。
ブロッケン現象の別名には、
「光輪」
「ブロッケンの妖怪」
「ブロッケンの怪物」などと呼ばれる事があります。
日本では、「御来迎」や「御光」などと呼ばれます。
昔、槍ヶ岳を開山した僧が名付けたのだとか。
ブロッケン現象の由来
ブロッケン現象の由来は、
ドイツの最高峰ブロッケン山でよく見かけられた
ことに由来しています。
そして、1780年にドイツの自然科学者
ヨハン・エサイアス・シルベルスラグによって
論文に記述されたのが最初と言われています。
ブロッケン現象ができる条件
ブロッケン現象ができる条件には、場所・天候・
山の状態・地形・時間の5つの条件が必要です。
- 場所
太陽の光を遮らない山頂や尾根。 - 天候
天候は晴れ。 - 山の状態
朝方や夕方に気温の変化により部分的に霧や雲が発生しやすい山。 - 地形
急で険しい地形。 - 時間
霧などのガスが発生しやすい日の出・日没頃。
これらの条件が当てはまれば見ることができます。
また、飛行機から見る場合は、
太陽とは反対の座席から見ることもできます。
しかし、この条件が当てはまったとしても、
ガスの量が少なかったり、太陽の光が弱かったりすると
見れないこともあります。
なので、相当珍しい気候現象なのです。
ブロッケン現象がもたらす言い伝え
ブロッケン現象が見れるのは大変難しく、
珍しいということがわかったかと思いますが、
この珍しさから様々な言い伝えができました。
その言い伝えを紹介したいと思います。
『幸せを運ぶ光の輪』として、
「撮った写真を待ち受けにすれば、幸せになれる」
という言い伝えがあります。
これは、客室乗務員さんの中でも
とても噂されているそうで、
「ブロッケン現象を見て数日後に彼氏から
結婚の申し込みがあった」など
とても幸せなエピソードがあるくらいです。
幸せとは反対に不幸になる言い伝えもあります。
欧米では、影は妖怪や怪物を連想させるため、
「ドッペルゲンガーの出現により死期が近いことの知らせ」や
山中を歩いていると正面には大きな影に
ブロッケン現象が起き、これを怪物だと思い驚き、
足を踏み外し谷底に落ちたなどのエピソードがあります。
また、言い伝えではないが、
ブロッケン現象がよく起きるドイツのブロッケン山では、
4月30日の夜に魔女たちが集まり、
魔王を囲んで宴会をするという伝説もあります。
まとめ
ブロッケン現象とは、太陽の光が霧や雲の粒に
ぶつかり光が散乱されて、影の周りに虹のような
輪っかができる大気光学現象の一つです。
語源は、ドイツの最高峰ブロッケン山で
この現象がよく起きることから名付けられ、
日本では「御来迎」「御光」などと呼ばれます。
ブロッケン現象を見ることは大変珍しく、
様々な条件が重なって見れるものです。
そのことから、日本では見れると幸せが訪れる
という言い伝えや、欧米諸国では見ると死期が近いなど
の言い伝えが世界中に広がっているのです。
飛行機から見れることは本当に難しく
偶然遭遇するしかないですが、
山などでは、条件さえ合えば
見れる確率がグンっとアップするので
見たい方は山登りにチャレンジしてみては。